千葉県ぐるっとウォーキング 第16回 成東海岸バス停~亀の井ホテル九十九里

 第 14 回からずっと「九十九里浜」を歩いている。「九十九里」の範囲は「太東岬」から旭市の「飯岡海岸」までの 66 km で、一里 = 4 km とすると、16 里あまりと 99 里 の 1/5 もない。とはいっても、長い長い砂浜なので、「九十九島」と同じく数が多いことを表す「九十九」を用いたものと思われる。このウォーキングでは毎回 20 km 強歩いているから、「九十九里浜」を踏破するのに 3 回はかかる。つまり、第 17 回で「九十九里浜」を卒業し、「銚子」に入る計算なのだ。ここで問題となるのは、前回も書いたが JR と海岸線の距離が遠いことであり、歩くと大変なのでバスを使う事にした。ところが、そのバス便があまりよくない。利用者が少ないので無理も無い。前々回の「一ツ松海岸」から「茂原駅」間の乗客は私一人だったし、前回の「成東海岸」から「成東駅」は二人だった。利用客がとても少ないから、バスの本数が少なくなり、さらに少ない本数で広範囲をカバーしようと、巡回バスとなっていく。本数が少なく便利が悪いので使う人が減る、という悪循環を繰り返している。ということで、この先、バスがうまく使えるのか不安になった。そこで宿泊できるところはないかと、「銚子」までの中間点を探すと、いい具合に「亀の井ホテル九十九里」があるではないか! 予約サイトで調べると、ありがたいことに一人でも宿泊可能だった(最近は一人だと宿泊できないところが増えた)。というわけで、第 16・17 回は一泊二日の行程となった。

 2023 年 4 月 19 日、7:57 に「成東駅」に到着。千葉フラワーバスの海岸線のバスは 8:15 に出発する。駅からの乗客は私含めて二人だったが、途中から二人乗ってきた。「成東海岸バス停」到着は 8:52 である。直線コースを通るバスなら 14 分で到着するところ、大きく「蓮沼」まで迂回するのでこの時刻になるのだ。写真はバス停の標識だが、「成東海岸」という名前は消え失せている。さあ、ここからウォーキング開始だ。

写真1 成東海岸バス停

 浜への入り口に看板が立っていた。この「成東海岸」の正式名は「本須賀岸(もとすか)海岸」のようだ。「ほんすが」ではなく、「もとすか」だということがこの看板で初めて分かった。「おお、九十九里だ。戻って来たぞ!」と勇んで浜を歩き出す。ところが、とても暑いのである。天気予報で今日は夏日になると言っていた。朝からすでに気温が上がっている。

写真2 本須賀海岸の入り口
写真3 本須賀海岸

 しばらく波打ち際を歩いていたが、進路を小さな川が塞いだ。川というよりは水の流れだが、ちょっと深そうなので今の靴では渡れない。仕方なく、水の流れにそって内陸に入り、堤防上を歩くことにした。暑い! 太陽が燦々と降り注ぐ。遮るもののない砂浜である。まだ、4月だ。ついこないだまでセーターを着ていたのだ。身体が暑さに慣れていない。

写真4 前を塞ぐ水の流れ
写真5 堤防上の道
写真6 堤防の道がなくなり草の間の道を歩く

 堤防の道はやがて消え、草の間の道を歩く。堤防が砂に蔽われたようである。暑さがかなりこたえてきた。これからまだまだ暑くなるだろう。こんな日陰のないところを歩くのは危険だと思った。もっと陰のあるところを歩こう。太陽は右側から射している。車道の右側を歩けば、家などがあっていくらか暑さをしのげるかもしれない。そこで浜歩きはあきらめて、浜と並行する産業道路を歩くことにした。樹木がある。こっちの方がずっといい! これならなんとかなりそうだ。

写真7 産業道路を歩く

 木戸川に出る。橋を渡るためにもう一本内側を走っている県道 30 号線に出てそのまま歩き続ける。「蓮沼海浜公園」の看板が出た。右に曲がればいいようだ。時刻は 10 時だ。あと 30 分歩いて、公園で休憩しよう。

写真8 蓮沼海浜公園の道標

 ところが、どうやら途中の分岐で浜の方へ入りすぎたようだ。左を見ると展望台らしき建物が見えているからあそこが公園だろう。ところが荒れた藪が広がっていて向こうに行けない。左に入る道はないかと探しながら前進するが、なかなか分岐が現れない。ようやく現れた小道を左折、なんとかメインの公園に入った。

写真9 蓮沼海浜公園の浜辺の道
写真10 展望塔が見える

 円形広場を過ぎるとベンチがあったので、荷物をおろして休憩。背中が汗でべっとり濡れている。今日はホントに暑い。先に進むと「蓮沼ウォーターガーデン」のウォータースライダーが見えてきた。蓮沼といえばこれだ。子供に大人気の施設だが、今はまだ休園中だ。

写真11 蓮沼海浜公園
写真12 蓮沼ウォーターガーデンのウォータースライダー
写真13 蓮沼ウォーターガーデン入り口

 「蓮沼海浜公園」の地図があった。浜に沿って作られたとても長細い公園だ。これで 2/3 過ぎたところだ。この辺でそろそろ浜へ出てみようと思う。さっきから気づいていたのだが、太陽が真上に昇ったせいで、顔や首への太陽光の放射が少なくなり、あまり暑く感じなくなった。これなら浜を歩けると思う。

写真14 蓮沼海浜公園の地図

 「屋形海岸」に出た。波打ち際に立って釣りをしている人がいる。いい光景なのでカメラに収めた。心なしか空に雲が出始めている。これも暑さが和らいだ要因かもしれない。

写真15 屋形海岸

 浜を歩いていると面白いものを見つけた。なんだろう? 設備から海に向かって水が流れている。近づいてみる。浜を使用する占用許可証が立てられている。ヨウ素! 海水を汲み上げてヨウ素を採る装置のようである。ヨウ素といえば「茂原」。あそこでは地下水を汲み上げてヨウ素を採取し、その副産物の天然ガスも販売している。ウクライナ戦争で天然ガスの価格が上昇したが、茂原市は安いままで抑えている。それは地元で天然ガスが採れるからだ。ただ、この天然ガスは水溶性なので採取にはコストがかかる。ところがこの地域は世界でも有数のヨウ素の産地で、高価なヨウ素を採ることで天然ガスの生産が経済的に成り立っているのだ。装置の側に行くとプーンとヨウ素の臭いがした。それにしても簡単な設備だから、生産設備ではなく試掘なのかもしれない。

写真16 屋形海岸で見つけた不思議な装置
写真17 装置の側にあった占用許可証

 屋形海岸は栗山川で終了する。その手前、海岸の入り口はきれいに整備された公園になっている。「マリンピアくりやまがわ」という名前だ。今回は先を急ぐので入り口の写真を撮るだけとなった。

写真18 マリンピアくりやまがわ

 さて、浜から内陸方面に眼を転じるとモダンな建物が見えた。教会? 結婚式場? まさか新興宗教? そういえば前回、幸福の科学の施設を見たナ。

写真19 この建物は何?

 建物の前まで来る。門の表札を覗き込む。「東部排水機場」つまり栗山川の氾濫を抑えるために水量をコントロールする設備のようだ。なかなか立派な設備である。

写真20 東部排水機場

「栗山川」にかかる「屋形橋」を渡る。河口方面を見ると右手に先ほどの排水機場の塔が見える。さて、面白いのはこの橋の欄干だ。写真の様な鮭のレリーフがあった。この栗山川、どうやら鮭が遡上するようなのだ。

写真21 屋形橋~見る栗山川の河口
写真22 鮭のレリーフ

 さて、時刻は 12 時に近づいた。どこかで昼食としよう。今歩いている道は「九十九里ビーチライン」。車の往来もまあまあ多いので、この道を進めば食堂が見つかるだろう。実は Google Map で魚料理の店を見つけていた。そこに向けて急ぎ足で進む。と、ところが、店が閉まっている。今日は休業日のようだ。さあ、どうする? ともかく進むしかないだろう。しばらく歩くと、「匝瑳(そうさ)市」の看板が。「横芝光町」からつぎに進んだわけだ。さて、この「匝瑳」という漢字だが、まずなんと読んでいいのか分からなかった。この道標で「そうさ」だと分かった。で、「そうさ」の意味は? 千葉県によれば「元々の読みは「さふさ」といって、「さ」は「狭(=美しい)」、「ふさ」は「布佐(=麻)」を意味することから、「美しい麻のとれる土地」とされる説や、「さ」は接頭語で、「ふさ」は下総国の中で最大の郡であることに由来する、という説があるそうです。「匝瑳」は、読みの「さふさ」に縁起の良い字を充てたものと考えられているそうです。」とのこと。あれっ、いつの間にか「上総国」から「下総国」に入っていたのだ。実はさきほど渡った「栗山川」が国の境だそうだ。

写真23 匝瑳市の道標

 さて、右手に小綺麗なログハウスが見えてきた。レストラン「ピッコロ」。ここにしよう。ハンバーグ定食をいただく。店内に説明があったのだが、このログハウス、カナダに受注したものらしい。内装もとても素敵だった。

写真24 昼食をいただいたレストラン「ピッコロ」

 昼食後、そのまま「九十九里ビーチライン」を歩く。途中、セブンイレブンがあったのでちょっとコーヒーを飲んで休憩。だいぶ雲が厚くなってきた。この先の「新川」を渡って右折して「吉崎浜」に出てみよう。あとは、可能なら浜を今日のゴールの「亀の井ホテル九十九里」まで歩いてみようと思う。

写真25 新川大橋

 雲がさらに厚くなり、風も出てきた。新川大橋を渡るとき河口を見ると波が川の中に入ってきている。午前中の快晴が嘘のようだ。「吉崎浜」の土手を上がっている時、出くわした人が「海が荒れていますよ」と教えてくれた。青かった海が今は鉛色となり、波が押し寄せている。吉崎浜からずっと浜沿いに自転車道が整備されている。向かい風を受けながらその自転車道を歩いた。時折、釣りをしている人を見かける。前方に高い建物が見える。あれが、今夜泊まる「亀の井ホテル九十九里」だろう。

写真26 荒れる海
写真27 吉崎浜の自転車道

 ホテルが近づいてきた。こっちの方が近道かと自転車道から堤防の道に移ったのだが、歩くところが無くなって自転車道に戻った。ホテルが間近になった。入り口は「九十九里ビーチライン」沿いにあるので、そちらに移動する。さあ、ホテルだ。15:31 ウォーキング終了。本日のウォーキング距離は 27.2 km、時間 6 時間 38 分だった。

写真28 土手の道
写真29 亀の井ホテル九十九里
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