さて、前回は DEQ2496 の自動補正機能を使ってフラットな音を作りました。今回はパラメトリック・イコライザーを使って、味付けをしていきます。以前から利用させていただいている「PCオーディオ実験室」のサイトの、「DEQ2496」を使ってできること(3)~「PEQメニューを使った音創り」を参考にします。「参考にします」と書きましたが、これまでのところは「その通りトレースする」というのが正しいです。この記事をベースにして自分なりに飛翔できればいいのですが…。まあ、そう深く考えずに、私のオーディオシステムに適用してみましょう。
このパラメトリック・イコライザー(PEQ)ですが、3つのパラメータを弄ることになります。
- 中心周波数→「FREQ」単位は Hz
- 帯域幅→「BW」単位はオクターブバンド
- 変動させる帯域のゲイン→「GAIN」単位はdB
この記事の筆者はソナス・ファーベルのエレクタ・アマトールを持っておられて(130 万円もするのです!)、エレクタ・アマトールの色を出す設定値を書いておられるのです。感謝・感激で使わさせていただくことにします。
- 「FREQ→ 632 Hz」「BW/OCT→ 2」「GAIN→ +1.5 db」
- 「FREQ→ 50.2 Hz」「BW/OCT→ 3/4」「GAIN→ +0.5 db」
- 「FREQ→ 10023 Hz」「BW/OCT→ 3/4」「GAIN→ +1 db」
実際の設定画面は下記の様になります。
では、RTA画面にして、ピンクノイズを測定してみます。まずは、自動補正前の音です。
上の 2 つの写真。上が自動補正前、下が補正後です。前にもお見せしていますが、測定日が異なります。下の方が確かにフラットになっています。これに PEQ を掛けたのが下の写真。棒グラフは結構上下するので、630 Hz がこの瞬間には落ち込んでしまっていますが、その周辺が確かに盛り上がっています。10000 付近も盛り上がっています。低音域 50 Hz は雑音領域になるので良く分かりませんね。
では、これでグルダ =ホルスト・シュタイン 指揮= ウィーンフィルのベートーヴェンのピアノ協奏曲第 3 番を聞き比べてみます。まず、補正前はギラつき感があって、ところどころ耳障りな音が混じります。補正後はなんと聞きやすい音。今回は「これでもいいかな」と思いました。さて、最後に PEQ で補正した音です。立派な演奏に聞こえます(もともといい演奏ですが……)。深みが出たように思います。第 2 楽章を聞いてみます。ピアノが静かに美しい旋律を奏で出します。ピアノの音が違います。PEQ をかける前に比べて、艶が出て表情も豊かになったように思います。ただし、もっと聞き込まないといけません。
これがエレクタ・アマトールの音かと言われるとよくわかりません。なにせ、本物を聞いたことがないのですから。もう少し調整をつづけて、変化を調べてみようと思います。