スピーカーのセッティング

 今日はオーディオの話だ。我が家のオーディオシステムは 15 畳のリビング・ダイニングに置いている。部屋は長方形で、南側の短辺は庭に面していて大きなガラス戸になっており、東側の長辺にも窓が 2 つある。北側は台所に通じているので、ダイニングテーブルを置いている。つまり、長方形を半分に割って南側がリビング、北側がダイニングという恰好だ。そして、テレビはリビングの東側の壁際にあり、スピーカーはテレビを挟むように置いてあった。

 「あった」とあえて過去形にしたのは、その配置を最近変えたからだ。この配置だと、スピーカーに対して左右対称では無く、右側はガラス戸があるのに、左側は空間と、音の反射が左右均等ではない。このため定位がおかしかったのだ。それに気づいたのは、「調音ボード」(これについては、明日にでも説明する)を導入して、いろんな音が明瞭に聞き取れるようになったことによる。曲によっては定位が崩れていることが認識された。オーケストラだともうひとつはっきりしなかったのだが、弦楽四重奏を聴くとよく分かる。なんと第一バイオリンがちょっと右寄りの中央から聞こえてきたのだ。これは問題だ。スピーカーの位置をずらしたり、調音ボードを動かしたりしてみたが、定位のずれは解消しない。さらに悪いことに、「ある音」がとてつもなく大きく響くのだ。私は絶対音感がないので、「ある音」というのがどの音なのか特定できないが、高音よりの中音がキンキン響いて耳障りなのだ。いったん気になり出すと、気になってしょうがなくなる。

 「長方形の部屋ならスピーカーは短辺側に左右の壁から同じ距離を取って設置すべし」スピーカーのセッティングについての解説には大概このように書いてある。だが、短辺側に置こうとすると、その先には庭があり、スピーカーの中央にテレビを置けば、庭が見えなくなるばかりか庭に至るルートを塞ぐことになる。別にオーディオルームを持つというわけにもいかず、また生活する空間に音楽が欲しいので、なんとかこの部屋を使いたい。私は悩んだ。そして、部屋の短辺側にスピーカーが置けるように、家具のレイアウトを考えた。

 現在の置き方は南側の窓の前に、左右の壁から約 1m 離してスピーカーだけを設置した。テレビやアンプ類はあいかわらず東側の壁際にある。これで庭に行く動線は確保でき、庭もよく見える。スピーカーはリアバスレフなので、後の壁からある程度の距離をとりたい。そのために、全体的に家具を北側に少しずらして空間を作った。このためソファーも一つ減らした。ダイニングテーブルは以前は南北に置いてあったのだが、これだと場所をとるので、90 度回転させて東西に置き、かなり北側に寄せることにした。食事の時にテレビが見にくいが、それは我慢する。ソファに坐ると音楽が右側から聞こえるようになるが、本格的に音楽を聴くときにはダイニングチェアを使うと決めた。

 さて、このようなセッティングで弦楽四重奏を聴いた。大丈夫。左から第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロの順だ。ハーモニーも綺麗に聞こえている。驚いたことに、このセッティングでは、あれだけうるさかったフラッターエコー現象も収まっている。いろいろな曲を聴いてみるが、細部もよく聞こえるようになってとても具合がいい。

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