PCを用いた音響測定(補正)

 前回、「WAVE SPECTRA」を用いた音響測定について書きました。今回は、その測定結果に基づいて DEQ2496 のイコライザーを用いて音響補正を行った結果について紹介します。

 さて、DEQ2496 のイコライザーにはジオメトリック・イコライザー(GEQ)とパラメトリック・イコライザー(PEQ) の 2 種類があります。GEQ は周波数毎にゲインを変化させて補正するもの、PEQは中心周波数、バンド幅、中心周波数でのゲインを与えて補正するものです。GEQで周波数毎にゲインをさわるのは複雑で大変な作業なので、今回は PEQ だけで補正を行うことに。

 まず、COMPARE と MEMORY ボダンを同時に押しながら電源を入れて DEQ2496 を初期化しておきます。これに合わせて、前に書いたとおり初期設定を行います。BYPASS ボタンを押し、すべて ✕ にしてバイパスにしたあと、バイパス状態での周波数特性を「WAVE SPECTRA」で測定します。これがベースとなるデータです。つぎに PEQ ボタンを押し、PEQ のパラメータを入力した後、PEQ のバイパス設定をキャンセルして音響測定し、ベースと比較します。パラメータ設定は面倒ですがひとつずつ行うのがよいと思います。思った通りになれば次のパラメータを入力し、ならない時には、入力値を変えて測定し、満足する値が得られるまで地道にこれを繰り返します。

 PEQの入力パラメータはつぎの 3 つです。

  • 中心周波数→「FREQ」単位は Hz
  • 帯域幅→「BW」単位はオクターブバンド
  • 変動させる帯域のゲイン→「GAIN」単位はdB

 この帯域幅ですが、単位はオクターブバンドで、これは下限周波数(f1)と上限周波数(f2)の比が2(= f2 / f1)となる幅です。1オクターブバンドの値は中心周波数によって異なるのでややこしいので、下記の資料に1オクターブバンド、中心周波数と周波数帯域の値が出ていたのでこれを参考にして値を決めました。

https://www.nikkenren.com/kenchiku/sound/pdf/glossary/a-0300.pdf

 例えば、中心周波数が 250 Hz で幅を100 Hz としたい場合には、250 Hz の1オクターブバンドは 177 ~ 354 Hzで幅 177 Hz なので、100/177=0.56 →1/2 オクターブバンドという具合です。

 下記の様な補正を行いました。④のピークは左と右で周波数のズレがあったので、左右で設定を変えています。その他は左右同じ設定になっています。

PEQ補正(左)
PEQ補正(右)

 補正後の結果です。青が補正後になります。④のピークが消え、⑤の部分も下がっています。②のピークはゲイン -15.0 と大分下げたのですがまだ残っています。補正前(赤)に対してかなりフラットになりました。

PEQ補正後の周波数特性

 実際に聞いてみると、とてもいいのですが、すこし高音がキツメに感じました。曲によっては聞き苦しさを感じたので、⑥の部分の 11246 Hz のゲインを +2.0 → +1.0 に落としました。これでとても聞きやすくなりました。透明でかつ迫力も十分あるサウンドです。解像度も上がっています。耳障りだったところも改善されて、聞いていても疲れません。クラッシク向けにはとても仕上がりになっています。

 DEQ2496 を通すシステムはこれで固定して、つぎに PC からのシステムを補正していきます。JRIVERの Media Center 25 には強力なイコラーザー機能がついているので、これを使おうと思っています。

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