PCを用いた音響測定(測定)

 さて、いよいよ測定です。まず、スィープ音源(20 – 20,000 Hz)を「Wavespectra」に読み込ませて表示してみました。ほぼ -16 dB あたりでフラットとなっており、あたりまえですが 20 kHz でストンと落ちます。5 kHz から少しずつ下がっていますが誤差範囲でしょう。

音源20ー200000Hz

 無音状態の測定もしておきます。赤い線はそれぞれの周波数のピーク値(一番音の大きい値)です。低音部は -30 dB 程度と結構大きな値になっていますが、これを超えればスピーカーから出ている音が記録されているわけです。

無音状態の測定結果

 測定は両方のスピーカーから音を出す(L+R)、左側だけ(L)、右側だけ(R)の3種類行いました。左だけ、右だけは使わない方のスピーカー端子を抜くことで対応しています。

 まず L+R の測定結果です。最初は入力の違いによる差を見てみましょう。先に書いたように、入力は 2 系列あります。下図の様に、ひとつはCD プレーヤー(PD-301)からの流れ(赤線)、もう一つは PC(TEAC Player)からの流(青線)です。CD からの流れでは、 DEQ2496 を通ってはいますが、バイパス設定でイコライザーをかけないようにしたものを比較します。

CD(音源WAVE)からとPC(音源DSD)からの周波数特性の比較

 CD と PC で似たような曲線が得られていますが、よく見ると 4000 ~ 11000 Hzの高音域(⑥)で PC 経由(青)の方が少し大きな値になっています。聞いた感触は PC の方が透明感があるので、この辺りの差がその理由だと考えています。-20 dB の所に線を引いてみると、ほぼフラットな特性で低音がよく出ていますが、100(①)、250(②)、550 Hz(④)あたりにピーク、450 Hz(③)あたりにディップがあります。3000 Hz からややだら下がり気味で、10000 Hz を越えると波打ちながら下がっていきます。

DEQ2496の補正前と補正後の比較(音源CD/WAVE)

 つぎは DEQ2496 をバイパスした場合と GEQ(ジオメトリック・イコライザー) PEQ(パラメトリック・イコライザー) をかけた場合の比較です。補正後は②のピークが消えていますが、①③④は変化ありません。⑤の部分がやや下がり、逆に⑥の部分がやや上がりました。聞いた感じは補正後は「耳障り」感が減少しているので、⑤を下げたことによる可能性が高いです。以前に購入したオーディオ・チェック CD には正弦波のスポット信号が録音されていたので、どの周波数がうるさく感じるのか実際に聞いてチェックしてみました。④の 500 ~ 600 Hzですが明らかに部屋と共鳴して大きく鳴っているのが分かりました。ここを下げる必要があります。それから、私の耳で耳障りに感じるのが 3000 ~ 4000 Hz あたり。ここも下げる必要があります。DEQ2496 で補正すると聞きやすくなるのはこの部分が下がっているからだと確信できました。その他を含めて、次の様な補正の方針を立てました。

  • MUST:④のピークを解消する。
  • MUST:⑤の部分を下げて、耳障りな感じを解消する。
  • ①、②のピークを下げてみる。
  • ⑥の部分を少し上げ気味にしてみる。

 さて次に左右のバランスを調べました。右側には硝子戸があり、左側は空間です。左右でそれほどの差はないようですが、高音部で見るとやや壁のある右側が強いようです。ピークやディップも左右で少しずつずれています。このあたりを意識して調整を行いたいと思います。

DEQ2496補正前 左右の違い(音源CD/WAVE)
DEQ2496補正後 左右の違い(音源CD/WAVE)
PC TEACプレーヤー 左右の違い(音源PC/DSD)

 最後に PC のプレヤーの違いです。PD505 対応の TEAC の純正プレヤーと JRIVER Media Center 25です。耳で聞いた感じは明瞭感が違い TEAC の勝利でしたが、TEAC は曲と曲の切れ目にプチッという結構大きな雑音が入るという欠点がありました。なんとか JRIVER を使いたいと考えていました。ところが、測定結果を見て驚きました。

プレイヤーの違い(音源DSD)

 JRIVER の方がボリュームが大きいのです。そこで、アンプの出力を下げ同じくらいのボリュームになるように調整しました。

 ほとんど同じですね。強いて言えば⑥の部分がほんの少しだけ高いかもしれません。もちろん、周波数特性以外のところに違いがあるかもしれないですが、この測定結果を見て JRIVER が使えると安心しました。

 耳では決して同時に聴いて比較できないので、結局、「記憶しているもの」と今聴いているものの比較になるわけです。違いがあると思っても、記憶というものはまことに頼りないものですから、十分に比較できているか疑問です。一方、このように音響測定すれば、違いは一目瞭然になります。

 DEQ2496 で測定していた時は、測定中に小さな画面の中で動いている棒グラフの写真を撮るという作業でしたので、周波数特性は正直いってハッキリしませんでした。ところが、「WAVE SPECTRA」を使えば、音の最大値の記録を大画面で見ることができます。違いが一目瞭然になります。こんな素晴らしいソフトをフリーで提供しておられる efuさんに心から感謝したいと思います。

 さて次回は、これらの測定結果をもとに DEQ2496 の強力なイコライザー機能を使って周波数特性を補正した結果を紹介したいと思います。

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