調音パネルの効果

 聴覚というのは当てにならないものである。視覚なら、2 つの画像を隣同士に置いて比較する、さらには画像を重ね合わせてみれば、差異ははっきりわかる。ところが、音はというと、結局、記憶に頼らざるを得ない。この記憶というのが、とてつもなくいい加減なものである。今さっき聴いた音を憶えているか訊かれれば、「ハイ」と答えるのだが、「間違いはありませんね」と念を押されると、急にあやふやになる。たくさんの音を続けざまに聴かされたもんなら、頭は混乱を起こし、何が何だかわからなくなってしまう。だから、「聞き比べ」ということでいろいろ書かれている文を読むとホントかと疑ってしまう。先入観がいっぱいはいっていて、「これはいいですよ」と言われるとそのように聞こえる。つまり、絶対的な評価というのが困難な仕事だと言うことだ。こんな前置きをして、では「調音パネルの効果はこうです」と書くのは何をかいわんやだと思うのだが、書き始めた以上、止めるわけにもいかないので、あくまでも個人的な、あいまいな評価に基づくものだと思って聞いて欲しい。

 まず、現在のセッティングは下の写真のようになる。スピーカー間の距離が 180 cm、後の窓からのスピーカー背面までの距離が 74 cm、調音パネルからスピーカー背面までの距離が 46 cm である。昼間はカーテンが開いており、真ん中の TCH は撤去する。夜はカーテンを閉めて写真の様な感じ。以下の順にテストを行ってみた。

  1. 調音パネルなし。後ろはガラス戸。
  2. 調音パネルなし。カーテンを閉める。
  3. カーテンを閉め、スピーカーの裏に調音パネルを置く。中央はなし。
  4. 写真の状態。スピーカー間にも調音パネルを置く。
現在のセッティング

  比較用の楽曲としてつぎの 2 つを選んだ。それぞれの曲について、1 ~ 4の順に比較していく。

  • A シベリウス 交響曲第一番第三楽章 ヨン・ストゥールゴールズ指揮  BBC フィルハーモニック(2012)
  • B モーツアルト弦楽四重奏曲 K. 387 第一楽章 エステルハージ弦楽四重奏団 

 ポイントは A はスケルッツォ楽章で、低弦のピッチカートに乗って、ティンパニーが主題を刻む、つづいてヴァイオリン、管楽器へと主題が移っていくのだが、それぞれ綺麗に聞き分けられるか? ティンパニー、管楽器が締まった音になっているか? この演奏ではティンパニーは固め、各種楽器もはっきりと聞こえる。B は古楽器の演奏で、ハーモニーが独特でとても美しい。これが表現できるかと四つの楽器がちゃんと定位して聞こえるか。これらを比較する。なお、シベリウスとモーツアルトは私のお気に入りである。では、といいたいところだが、少し長くなったので結果は次回としよう。

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