今日は風が強いが、いいお天気だ。この強風のせいで水中展望船は欠航だそうだ。さあ、岬巡りを続けよう。今日はまず「積丹岬」だ。昨夜、ネットで仕入れた情報では、積丹岬駐車場からトンネルを抜けて島武意海岸へ向かう道と、積丹岬灯台・笠泊展望台、女郎子岩展望台へと向かう遊歩道があるのだそうだ。
美国から車で約 30 分で積丹岬の駐車場に着く。なるほどトンネルがある。狭いトンネルを抜けると海が見える展望デッキに出る。遊歩道はどこだろう? 探すが見あたらない。地図をよく見ると、分岐点はトンネルの向こう側だった。急いでトンネルを戻る。



トンネルの前に右側に向かう坂道がある。ところが黄色いロープが張ってあるではないか。「熊出没のため通行止め」。なんということ! 女郎子岩展望台へ向かう道には熊が出やすく通行止めになる可能性があることは知っていた。だが、ここから通行止めとは。いかにも日本らしい。アメリカなら注意を喚起して、あとは自己責任だろう。グランドキャニオンには柵なんかなかった。通行止めまでする必要があるのだろうか? 何か起こったときの責任回避の姿勢がみえみえである。
もう一度、島武意海岸に戻っても良かったが、ちょっと意気消沈気味で、つぎの神威岬へ行こうと決めて、さらに 30 分車を走らせる。途中、人の顔のような岩を見つけた。ちょっとイースター島のモアイ像のようだ。あとで調べると「弁天岩」というらしい。

神威岬駐車場には車がたくさん止まっていた。どうやら、ここが積丹半島の岬巡りのハイライトらしい。神威岬は鋭角の三角形の頂点に灯台があり、そこまで遊歩道が続いている。岬の先には人の形をした神威岩と冬にはトドが寝そべるメノコ岩がある。

積丹ブルーの海が眼前に広がる。よく整備された遊歩道だと感心する。これを維持するのは大変だろう。岬の尾根(チャレンカの小道というらしい)を先端めがけて進む。
目の前にあるのが神威岩だ。伝説では奥州からここまで逃げてきた源義経に思いを寄せる首長の娘チャレンカが、義経を追いかけ、チャレンカの小道を通ってこの岬の先端までたどりついたが、その時、大陸に渡ろうとする義経の乗った船はすでに沖の彼方へ。チャレンカは悲しみのあまり、海に身を投げる。その身体は神威岩と化し、近くを通る船に女性が乗っていれば必ず転覆させたという。以来、この岬は「女人禁制」となり、女人禁制の門が作られる。とはいえ、今は若い娘やオバさんたちも、どんどんこの門をくぐっていきますが……。
ここが積丹半島のハイライトだという理由がよくわかる素晴らしい風景だ。岬の先端まで歩いて行けけば、青い空とグラデーションする青い海に囲まれる。こういうところは珍しい。来た甲斐があった。



神威岬から半島の西側の海岸線を岩内めざして走る。途中、泊村に入ると、急に立派な建物が目につくようになる。ここには北海道電力の原子力発電所があるのだ。2011 年の東関東大震災ですべての原発が停止してから 11 年、ここはまだ稼働していない。現在、再稼働の協議中である。そして、岩内町に入る。ここに今夜の宿がある。

